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プロセス志向の意思決定

第4回 中間合意を得ながら、結論に導く

様々な手法を用いて議論が活発になったのはよいが、次に直面する悩みは、どうやって議論を収束させるか?ではないだろうか。しかし、急いで結論を出そうとあせる必要はない。複雑な問題に対する結論を出すのはもちろん簡単ではないが、必ずしも一気に合意を形成する必要はなく、議論の発散と収束のプロセスを繰り返しながら、最終合意を得れば良いのである。

合意形成には、発散と収束の繰り返しが必要

複雑な問題に対応するには、問題を分割して取り組むのが一つのやり方である。分割した小さな問題について、議論を重ね、合意を得る。さらに次の問題について合意を得る。この繰り返しによって、複雑な問題も解決しやすくなるのである。

行動意思決定学の学者であるJ・エドワード・ルッソとP.シューメーカーは、「意思決定のプロセスには、様々な意見を引き出す発散の段階と、そこから最終結論を導く収束の段階が必要である」と説いている。しかしロベルト教授が研究した結果、有能なリーダーは、発散と収束のプロセスを一度ではなく何度も繰り返すことによって、結論に導いている例が多いと紹介している。

例えば、第2次世界大戦でノルマンディー上陸作戦を決断したアイゼンハワー大統領は、対応できる範囲に問題を分割することによって結論に導いた。一つの作戦について一気に合意を得ようとはせずに、上陸の日程、空爆戦略、空挺部隊の活用方法、海峡横断攻撃と同時にフランス南部への侵攻を決行するかなどについて分割して議論した。部下となる将軍達がフランス南部への侵攻案に合意できずにいると、まず必要となる海峡横断攻撃に要する資源量について検討させた。この点が合意できた時点で、資源調達に時間がかかることが判明し、皆がフランス南部への侵攻案を延期することに合意しやすくなった、という具合だ。

中間合意を得る方法

では、どのようにして中間地点の合意を得るか。本書では、プロセス視点と、結果視点の大きく2つのタイプに分けて、その方法が紹介されている。

プロセス視点の中間合意には次のようなものがある。

結果視点の中間合意には次のようなものがある。

議論が紛糾してなかなか結論に導けない時や複雑な問題に直面した時には、「問題を分割すると解決しやすくなる」ということ、分割した問題について「中間合意を得る方法がいくつかある」ことを理解しているだけで、余裕を持って問題に取り組めるようになるのではないだろうか。

次回は本連載の最終回として、正しい決断を導き出すための、公正な意思決定プロセスについて紹介したい。

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